女性にとって爪のケアや飾りは、化粧をしたり髪整えたりすることと同じくらいに高揚感や女性らしさを演出するパーツになっている。

 

新宿駅から数十秒という立地で、専用入口から入る地下のネイルサロンを設計した。

髪のケアと同じく、ネイルも10本の指のケア、マニキュアを施術するのに1時間ほどかかる。その間に手が動かせないため、ストレスを感じやすい。

そのため、1時間以上の高滞在時間でも耐えうる落ち着いた空間性と、上質なケアを体現するための空間性を持つ空間設計を心がけた。

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店舗は地下空間のため、玄関を発見し辛い欠点があった。そこに加え、新宿の雑踏が凄まじい場所でもある。

そこで、玄関のサイン看板はネイルのようなカラフルな花をあしらった額を設置した。

地下に降りていく階段は反転して、モノトーンの小花柄のタイルでくるみ、少しの間にイメージを膨らませてもらうアプローチとした。

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玄関から先は、照度を高めに設計し、白の大理石とオークのヘリンボーン貼りとで切り分けた。

モノトーンから、地下と思えないような温かみのある空間へのギャップで高滞在性を上げていく空間性と考えた。

基本構成は大理石を含む白、オークの木の色、真鍮のゴールドの三色で構成している。マテリアルの多さも控えつつ、

手触りが良いもので包むことで、上質性を演出している。

真鍮の取っ手もすべて職人による手仕事で磨きを入れ、ネイルのような衣装にしている。

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女性のための、高揚感の演出、居心地の良さ、上質な雰囲気、この三つを設計に込めて表現したこのネイルサロンは、

男であり、そのような機会のない私にとって、とても羨ましい施設になった。